チャーリーズ・エンジェル(2000)

 

チャーリーズ・エンジェル(字幕版)

チャーリーズ・エンジェル(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

前から気になってた、チャーリーズ・エンジェル(2000)を観た。何も考えず、明るくなれる映画だと評判だったから。今日は何も考えずに、明るくなりたい気分だったんだ。

何か考えたら、今の自分を責めずにはいられないから。

 

【あらすじ】正体不明のボス、チャーリーの元で探偵として働くディラン、ナタリー、アレックス。誘拐された人質を救助したり、こっそり住居侵入したり、毎日過激な仕事をこなしつつも、お年頃な彼女たちは、恋の悩みがつきない。ある日、依頼者に罠にはめられ、3人に命の危機が訪れる。なんとか危機回避するも、敵の本当の狙いはチャーリーだった・・・。

 

まずキャメロンディアスについて、書かせてほしい。彼女の笑顔が可愛すぎる!天使か。天使なのか。天使ですね。三段活用。あの笑顔だけで、キャメロン演じるナタリーがどんな人間なのかわかる。表情だけで、キャラクターを説明してしまっているわけだ。それも、嘘くさい表情じゃない。彼女の中で目の前のことに何かを感じて、その何かを満面の笑顔に出力することで、成り立っているのだ。あと、あのダンスのなんともいえないヘタウマ感!キャメロンディアス自身は、歌って踊れる役者なので、キャラクターに合わせて、リズムに乗ってはいるけど、あまりかっこよくないダンスを踊っているのだと思う。これがまたたまらなくキュートなんだ。

 

全体を通して、このアクションどこかでみたことあると思ったら、マトリックスのアクションつけた人と同じ人だったみたい。通りで宙を舞ったり、足技が多かったりするわけだ、なるほど!普通に女VS男が生身で闘ったら、圧倒的に男が有利になってしまう。そこを、3人で協力するプレーだったり、身の回りのものをフル活用すつ闘い方だったりして、体格の差があまり気にならない、むしろ派手でカッコいいアクションシーンへと昇華していた。

 

正直、ところどころ突っ込みはある。チャーリーの右腕のボスレーは、あまりにも危機管理能力がなさすぎるんじゃないかとか、3人娘は顔を見たことがないチャーリーを信用しすぎじゃないかとか。でも、そんなささいなことを気にさせないくらいの、3人のチャーミングさとかかっこよさがあった。だからこそ、チャーリーズ・エンジェルは1つのエンターテイメントとして、成り立つのだろう。チャーリーズ・エンジェルの世界でのリアルさの基準は、私がいま生きる世界とは別のところに、設けられているのだ。

これは、演劇の世界でもよく起こること。現実的に考えたらありえないことを、観ている人にどうやって信じてもらうか。気にさせないか。勢いで?パワーで?設定で?1つ言えることは、登場人物たち全員が脚本に沿って「生きていれば」、観ている方は、信じてくれるということだ。

 

ただ一つ、気になったことがある。これでもかというくらい、彼女たちのセクシャルな部分を強調するシーンが多かったことだ。衣装は胸元がざっくり開いた、いまにもおっぱいが見えてしまいそうなピチピチのスーツ。謎に自分の胸元に男性の頭を押し付けて囁く一幕。過剰に裸を想像させ、今にも見えそうだと視聴者に思わせる演出。

そんなものがなくても、彼女たちは十分魅力的だし、この物語は面白いのに。なんだか、彼女たちの女性性が、消費されている気がして、すごく辛くなった。女性が探偵やスパイを演じ、アクションものにチャレンジするには、セクシャルでないと、興行的に成り立たないんだろうか。裸にならなきゃいけないのか?チャーリーズ・エンジェルの魅力はセクシャルさなのか?

 

女優は脱いで一人前、みたいな謎の風潮があるが、果たして本当だろうか。そんなことを嘯いて、人気者になると志した少女たちを、嫌がらずに裸にさせる、甘い言葉なのではないだろうか・・・。

これはあくまで噂だが、映画やドラマで女優が裸になるシーンの撮影があると、その日だけ、いつもは現場に来ないお偉いさん方が撮影現場に見学に来るらしい。吐き気がする。女性の体は、見世物ではない。

 

なんて、役者の端くれの私は思ったのだ。

 

あかり