ジョジョ・ラビット

 

 

ジョジョ・ラビット

映画レビュー

 

【あらすじ】

第二次世界大戦終戦間近のドイツ。ナチスを盲信する10歳の少年ジョジョは、ある日自宅で匿われていたユダヤ人の少女に出会う。この少女との出会いが、ジョジョの世界に変化をもたらす。

 

あえてPOPに明るく戦争を描いた一作。キャストがインタビューで力強いコメディだといっていたけど、まさにその通りだと思う。

随所に軽快な音楽が挿入されており、思わず踊りたくなるような、ずっと音楽にのっていたくなるような心地のする映画。長いMVみたい。

戦争に関する映画は苦手という方にこそ、観て欲しい。

 

この映画では、第二次世界大戦終戦間近のドイツが舞台。今まで観てきたナチスに関する映画は、大きく分けて2パターン。ユダヤ人目線の話か、ヒトラー目線の話かだったけど、この映画はそのどちらでもあって、どちらでもない。ユダヤ人の少女と、ドイツ人でありながらヒトラーを支持しなかった大人たちとの間で、ナチスを盲信していた10歳の少年ジョジョの世界と価値観が目まぐるしく変わっていく映画だ。

 

戦場のピアニスト [DVD]

戦場のピアニスト [DVD]

  • 発売日: 2003/08/22
  • メディア: DVD
 
ヒトラー ~最期の12日間~ (字幕版)

ヒトラー ~最期の12日間~ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

スカーレット・ヨハンソン演じるロージーの演技が素晴らしかった。美しくもユーモアがあり、憂いを帯びた瞳をしているが、絶対に揺るがない芯のある女性。母親としての温かな母性を見せながらも、世界に背いてでも自分の信念に従うある種のクールさを同時に存在させている。こんな上質なお芝居ができる役者は、世界にだって何人といないだろう。本当に難しいことをサラッと演じている素晴らしい役者だと思う。

 

レベル・ウィルソン演じるミス・ラームも良かった。そもそもレベル・ウィルソンが好き。ミス・ラームが語る言葉はどれも偏見に満ちており、子どもに地雷を持たせて特攻させる様は、人間なのかと疑いたくなるほど残忍。だが、レベル・ウィルソンが演じることで、圧倒的なおかしさが生まれ、思わず笑ってしまうほどの隙が観客に生まれるので、しっかりと残忍さを直視することができるのだ。

 

コメディの力を思い知った。タイカ・ワイティティ恐るべし。

 

私もコメディやってみようかな。個人的には、シリアスなリアリズム系がやりたいんだけど…私の強みはそこでは発揮されないのかもなんて思ったりして。はぁ。

明日も朝からバイト。早く寝なきゃ。

 

 

あかり